「訪問介護って、具体的に何をしてくれるの?」
親の介護を考え始めたとき、最初に疑問に思うのはここじゃないでしょうか。パンフレットやネットに書いてあることはなんとなくわかっても、実際のところが見えにくい。
現役の訪問介護士として働いている私が、サービスの内容からリアルなメリット・デメリットまで、現場目線でお伝えします。
この記事でわかること:
– 訪問介護で受けられるサービスの種類
– 費用の目安
– 現場で感じる在宅介護のメリット・デメリット
– 訪問介護が向いている人・向いていない人
訪問介護とは?
訪問介護は、ホームヘルパーが自宅に来て介護サービスを提供する制度です。介護保険を使って利用でき、要介護認定を受けた方が対象になります。
「できる限り自宅で過ごしたい」という方を支えるためのサービスで、日常生活の困りごとをサポートします。
訪問介護で受けられるサービスの種類
大きく3種類に分かれます。
1. 身体介護
体に直接触れる介護です。
- 入浴介助・清拭
- 排泄介助
- 食事介助
- 着替えの介助
- 体位変換
- 移動・移乗のサポート
2. 生活援助
日常生活を支えるサービスです。
- 掃除・洗濯
- 買い物の代行
- 食事の準備・後片付け
- ゴミ出し
ただし、生活援助は「本人が自分でできない部分」に限られます。 家族が同居している場合は制限がかかることもあるので、ケアマネジャーに確認しておきましょう。
3. 通院等乗降介助
通院や外出時の車への乗り降りをサポートします。訪問介護員が運転する車で送迎する場合も含まれます。
訪問介護の費用目安
介護保険の自己負担は原則1割です(所得によって2〜3割)。
| サービス | 1回あたりの目安(1割負担) |
|---|---|
| 身体介護20分未満 | 約170円 |
| 身体介護30分〜1時間 | 約400円 |
| 生活援助20分〜45分 | 約180円 |
| 生活援助45分以上 | 約220円 |
週3回利用した場合、月の自己負担は約3,000〜8,000円が目安です。
ただし介護保険には「区分支給限度額」があり、要介護度によって使える上限が決まっています。上限を超えた分は全額自己負担になります。
現役ヘルパーが感じる、在宅介護のリアル
ここからは、現場で働いて感じていることを正直にお伝えします。
在宅介護のいいところ
一番大きいのは自由があることです。
施設では食事の時間・お風呂の時間・就寝時間がある程度決まっています。それが安心という方もいますが、「自分のペースで生きてきた人」にとっては窮屈に感じることも。
在宅なら、食べたいものを食べたいときに食べられる。好きな時間に起きられる。テレビを夜中まで見ていても誰にも言われない。「自分の家」でいられることの価値は、思っているより大きいと感じています。
在宅介護の難しいところ
一方で、正直に言うと孤独になりやすいという面があります。
訪問介護のヘルパーが来るのは、1日1〜2時間のことが多いです。それ以外の時間は基本的に一人。独居の方だと、一日誰とも話さないこともあります。
それから、食事の管理が難しい。施設なら栄養バランスを考えたメニューが出てきますが、在宅では自分で判断することになります。食べすぎたり、逆に食べなかったり。体調管理が難しい面があります。
施設がいいか在宅がいいかは、その人の性格や生活スタイルによって変わります。「人と関わっていたい」「規則正しい生活が好き」という方は施設の方が合っているかもしれない。「自分のペースを大切にしたい」「家が好き」という方は在宅が向いているかもしれない。どちらが正解というわけではないんです。
訪問介護が向いている人・向いていない人
向いている人
- 自宅での生活にこだわりがある
- 自分のペースを大切にしたい
- 家族や近所との関係がある
- 軽度〜中度の介護が必要な状態
向いていない人
- 一人でいることが不安・寂しい
- 夜間に介護が必要になることが多い
- 認知症が進んでいて一人での生活が難しい
- 栄養管理や服薬管理が必要
「向いていない」と書きましたが、デイサービスや訪問看護と組み合わせることで解決できることも多いです。一つのサービスだけで考えずに、ケアマネジャーと相談しながら組み合わせを考えてみてください。
訪問介護を利用するまでの流れ
- 要介護認定を受ける:市区町村の窓口または地域包括支援センターに申請
- ケアマネジャーを決める:ケアプランを作ってもらう
- 訪問介護事業所を選ぶ:ケアマネジャーに紹介してもらうのが一般的
- 契約・サービス開始
まず地域包括支援センターに相談するのが一番スムーズです。
よくある質問
Q. 訪問介護は何歳から利用できますか?
原則65歳以上が対象です。40〜64歳でも特定疾病(16種類)が原因の場合は利用できます。
Q. 家族が同居していても利用できますか?
身体介護は利用できます。生活援助は「家族が対応できない理由がある場合」に限られることがあります。ケアマネジャーに相談してください。
Q. 夜間の訪問介護はありますか?
あります。「夜間対応型訪問介護」というサービスがあり、夜間の急な呼び出しにも対応します。ただし対応している事業所が限られるため、地域によって異なります。
Q. ヘルパーを指名できますか?
事業所によっては対応しています。相性が大切なサービスなので、気になる場合は最初に確認しておくといいです。
Q. 訪問介護と訪問看護の違いは?
訪問介護は生活支援が中心、訪問看護は看護師が医療的なケアを行います。両方を組み合わせて利用することもできます。
まとめ
- 訪問介護は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3種類
- 月の自己負担は週3回利用で約3,000〜8,000円が目安
- 在宅は自由がある分、孤独になりやすい面もある
- 施設か在宅かはその人の性格・生活スタイルで選ぶ
- まず地域包括支援センターに相談するのがスムーズ
「自分らしく過ごせる場所」を選ぶために、まず情報を集めることから始めてみてください。


